妊娠中に食べちゃいけないものってある?チーズや生ハムなど食べ物で気を付けること

妊娠

普段食べ物で気を付けると言えばダイエットする時くらいで、何も気にせず好きなものを食べていますが、妊娠中は気を付けなければいけない食べ物があります。
ここでは妊娠中気を付けた方が良い食べ物についてご紹介していきます。

 

妊娠中避けた方がいい食べ物

生ハム・スモークサーモン・生肉・パテ

生ハムや生肉なと加熱処理をしていない食べ物を食べるとトキソプラズマに感染する恐れがあります。

妊婦の場合、トキソプラズマに初感染すると胎児に感染し胎児が先天性トキソプラズマ感染症を発症する可能性があります。

初感染の時期が早期であるほど出生時の異常が重症化します。出生時の症状の有無にかかわらずその後視力障碍や精神運動発達遅滞などの遅発性障害を合併する場合もあります。

 

トキソプラズマ症とは

トキソプラズマとは猫を終宿主とする人畜共通感染性の細胞内寄生性原虫です。

人から人へ感染することはありませんが、加熱処理の不十分な肉や土、猫の糞などを介して感染します。

妊婦が初感染すると、まず胎盤に感染・増殖し胎児の脳などの臓器に波及します。

ほとんどの妊婦は初感染しても無症状ですが、胎児においては先天性トキソプラズマ症を発症します。

トキソプラズマ症とは胎内死亡、流産、網脈絡膜炎、小眼球症、水頭症、小頭症、脳内石灰化像、肝脾腫を指します。

トキソプラズマの垂直感染率は初期で数パーセントから25%に対し後期で約60~70%なのに比べ、先天性トキソプラズマ感染(重症感染)危険率は妊娠初期で約60~70%、後期で約10%と、初期の感染程重篤化すると報告されています。

トキソプラズマ症予防対策

・食用肉はよく火を通す。

・果物や野菜はよく洗う

・食用肉や野菜に触れた後はしっかり手を洗う

・ガーデニングや畑仕事など土を触る時は手袋を着用する

・動物の糞尿処理時は手袋を着用する

・妊娠初期から予防や抗体検査を受けるなど対策をとる

トキソプラズマ感染妊婦の治療

アセチルスピラマイシンという薬を早期から服用します。

早期から服用することによって胎内感染率の約60%低下が報告されており、妊娠中トキソプラズマ初感染が否定できない場合、極力早期に服用を開始します。

本剤は胎盤に移行することによりトキソプラズマ原虫の胎児への感染を予防するため、羊水検査で胎内感染の診断が確定した場合は効果がありません。

ナチュラルチーズ・生ハム・スモークサーモン・生肉

ナチュラルチーズや生ハム・スモークサーモン・生肉にはリステリア菌がいる可能性があります。

リステリア菌は熱に弱く十分に加熱すれば死滅しますが、そのまま食べるとリステリア菌に感染する恐れがあります

リステリア菌とは

リステリア菌(リステリア・モノサイトゲネス)に感染すると食中毒を起こす可能性があります。

このリステリア菌は土壌や河川水、家畜など自然界に広く分布していて、4℃以下の低温や10%の高い塩分濃度でも増殖します。

リステリア菌が検出される可能性がある食品はナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモン等の加熱処理のない食品になります。

リステリア菌に感染しやすい人

は、妊婦(胎児)、新生児、高齢者及び慢性呼吸器疾患や慢性心疾患、慢性腎疾患、糖尿病、高血圧などの基礎疾患を持つ人です。

健康な成人と比べると100~1000倍感受性が高いため感染しやすいということです。

リステリア菌感染の症状

健康な成人が感染しても無症状になることが多いいですが、妊婦や新生児、高齢者や基礎疾患がある人が感染すると、38~39℃の発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出ます。

特に妊婦(胎児)や新生児、高齢者は重症化する場合が多く、髄膜炎や敗血症などの重篤な全身性の症状になる可能性があります。意識障害や痙攣が起こす場合もあります。

重症化した場合の致死率は20~30%と非常に高いく、注意が必要です。

リステリア菌は胎児へも影響があり、妊婦が感染すると胎盤を通過して胎児へ垂直感染し、流産や早産及び死産の原因にもなり、注意が必要です。

リステリア食中毒の予防対策

・リステリア菌は熱に弱く、加熱することにより死滅します。

生焼け部分がないように、中までしっかり火を通し、十分に加熱するように気を付けてください。

 

・リステリア菌は冷蔵庫内でも増殖します。冷蔵庫内で長期間保存しない様に気を付けてください。

 

・生肉を調理する際は他の食材と調理器具を別にし、生肉を触った手や調理器具は使用後すぐに洗ってください。

 

・調理器具は熱湯消毒すると菌が死滅するので安心です。

 

生卵

卵の殻にサルモネラ菌がいる場合があります。

サルモネラ菌は熱に弱く加熱すれば死滅しますが、感染すると食中毒を起こし下痢や嘔吐の症状が出たり、胎児に影響を与える可能性があります。

 

刺身・魚卵・貝類

刺身や魚卵、貝類など生で食べると食中毒を起こす可能性があります。

食中毒が起こると胎児に影響を与える可能性があるので注意が必要です。

貝類などは十分に加熱したものを食べるように気を付けてください。

 

食べる量に注意したい食べ物

マグロ

マグロには水銀が含まれているため、食べる量に注意が必要です。

水銀を大量に摂取すると胎児の成長に影響を与える可能性があります。

妊娠中の摂取量は1回80g(お刺身約1人前)週2回までと推奨されています。

水銀が含まれる主な魚

クロマグロ(ホンマグロ)・メバチマグロ・ミナミマグロ(インドマグロ)・キダイ・マカジキ・ユメカサゴ・ヨシキリザメ・イシイルカ・キンメダイ・ツチクジラ・メカジキ・マッコウクジラ・エッチョウバイガイ・コビレゴンドウ・バンドウイルカ

特に注意が必要ではない魚

キハダ・ビンナガ・メジマグロ・ツナ缶・サケ・アジ・サバ・イワシ・サンア・タイ・ブリ・カツオなど

 

うなぎやレバー

うなぎやレバーにはビタミンAが豊富なため、妊娠初期に摂りすぎてしまうと胎児の形態異常を引き起こす可能性があります。

 

摂取目安 うなぎの蒲焼(約100g)やレバーの焼き鳥1本(約25g)を週1回程度。

 

 

昆布

昆布にはヨウ素が多く含まれています。

ヨウ素の過剰摂取は胎児の甲状腺機能を低下させるため注意が必要です。

 

摂取目安 1日220mcg

 

ひじき

ひじきにはヒ素が含まれています。

食べすぎると健康被害をもたらす恐れがある為、妊娠中は注意が必要です。

 

摂取目安 乾燥ひじき5gを週2回までにしましょう。

 

 

加工肉

ウインナーやハムなどの加工肉は塩分が多いので食べすぎると高血圧やむくみの原因になります。

加熱処理した加工肉は食中毒の心配はありませんが、量や回数に注意が必要です。

 

インスタント食品やスナック菓子

インスタント食品やスナック菓子は塩分と油分が多いので、食べすぎると高血圧やむくみの原因になるほか、体重の増加にもつながります。

量や回数に注意が必要です。

 

妊娠中のビタミンA・ヨウ素・ヒ素について

ビタミンA

ビタミンAは脂溶性ビタミンで多くの食品に含まれています。

正常視力や免疫システム、生殖に欠かせないもので、心臓や肺、その他臓器が適切に機能するのを助ける働きがあります。

 

ビタミンAには既成ビタミンAといわれる肉類や魚類、乳製品に含まれるものと、プロビタミンA(βカロテン)といわれる果物や野菜、植物由来の製品に含まれるものがあります。

 

既成ビタミンAを過剰に摂取するとめまいや悪心、頭痛などが生じ、妊婦に至っては出生異常を引き起こす可能性があり注意が必要です。

プロビタミンAの過剰摂取による害はありません。

 

既成ビタミンA推奨摂取量(単位:ビタミンA1IU→0.33mcg)厚生労働省HPより引用

年齢 摂取推奨量(mcg 安全な上限値(IU
生後12か月 設定数値なし 2,000IU
1~3歳 設定数値なし 2,000IU
4~8歳 設定数値なし 3,000IU
9~13歳 設定数値なし 5,667IU
14~18歳 700~900mcg 9,333IU
成人 700~900mcg 10,000IU
妊婦 設定数値なし 設定数値なし
授乳中 1,200~1300mcg 設定数値なし

                                           

 

ヨウ素(ヨード)

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料であり、ヨウ素が不足すると甲状腺機能低下症を引き起こしますが、過剰摂取でも甲状腺機能低下症や甲状腺亢進症、甲状腺炎、甲状腺腫などを引き起こします。

 

妊婦は成人の約倍のヨウ素を必要とします。

重度のヨウ素欠乏症は胎児の発育不全や精神遅滞性分化遅延の原因となりますが、過剰摂取してしまうと胎児がヨウ素過剰状態となり甲状腺機能低下症を引き起こすので、摂取量には注意が必要です。

 

ヨウ素1日の平均摂取推奨量(単位:1mg→1000mcg、1mcg→0.001mg)厚生労働省HPより引用

年齢 摂取推奨量 安全な上限値
成人 150mcg 1,100mcg
妊婦 220mcg 設定数値なし
授乳中 290mcg 設定数値なし
生後6カ月 110mcg 設定数値なし
生後7~12カ月 130mcg 設定数値なし
1~3歳 90mcg 200mcg
4~8歳 90mcg 300mcg
9~13 120mcg 600mcg
14~18 150mcg 900mcg

                                           

 

 

 

ヒ素

無機ヒ素は胎盤を通して胎児へと運ばれます。無機ヒ素は催奇形性があるほか、胎児に脳障害を引き起こすことが分かっています。

ヒ素が多く含まれるひじきは、鉄分やカルシュウムなどのミネラルを多く含んでいて健康的メリットが多いですが、妊婦や3歳未満の幼児については摂取を控えた方がいいそうです。

成人でも連日摂取すると体内に蓄積してしまうため、週1回小鉢1杯程度を推奨しています。

 

Kiki'
Kiki’

Kiki’の場合・・・

妊娠中摂取量に気を付ければ食べても大丈夫なものは特に気にせず食べていました。

気を付けていたのはマグロの水銀位で、お刺身やお寿司は気にせず食べていました。

生ハムやスモークサーモンなどのトキソプラズマ症やリステリア菌という存在は妊娠中期以降に知り、それまで普通に食べていたので少し不安になりました。

妊娠中は気を付けることが沢山あるので、妊婦って大変だなぁと思うと同時に、好きなものを楽しく食べられると、ストレスなくマタニティーライフをより楽しく過ごせるのになぁ~と思いましたが、10カ月間という短い期間なので、気を付けられることは気を付けて、少しでも不安要素を減らそうと気を付けていました。