出産後女性は乳腺が発達し乳房にミルクが作られます。
授乳中は痛みや腫れが起こる乳腺炎や、しこりなどの乳房トラブルが起こることがあります。
ここでは授乳中の乳房トラブルについてご紹介していきます。
乳腺炎(乳房の痛みや腫れ)
乳房組織が炎症を起こした状態のことを乳腺炎といいます。
授乳を始めてから1か月位の間に発症することが多く、2,3か月頃まで続くこともあります。
症状
乳房の痛み、腫れ、赤み、熱を持つなどの症状があります。
また、倦怠感や発熱を伴う場合もあります。
原因
・乳腺の詰まり
・乳管の詰まり
・細菌感染
・乳房を締め付けるようなブラジャーの着用
・乳首の亀裂
・ストレスや疲れによる免疫力の低下
・栄養不足
などが原因とされています。
予防法
・両方の乳房が空になるように姿勢を変えながら授乳する
・授乳時間を空け過ぎないように、頻繁に授乳する
・授乳前に温かいタオルやシャワーを浴びるなどして乳房を温めてから授乳する
・両方の乳房が空になったか確かめ、母乳が残っている場合は搾乳などして空にする
・なるべく休息をとる
・乳房を締め付けない
対処法
乳腺炎になってしまった場合は、できるだけ頻繁に授乳をすると治りが早いです。
乳腺炎になってしまったからといって授乳をやめるのは逆に悪化させてしまう可能性があります。乳腺炎になると赤ちゃんに母乳を与えること抵抗を感じると思いますが、母乳の抗菌特性は赤ちゃんを感染から守ってくれるので、赤ちゃんが感染することはないそうです。
医師からの指示がない限り授乳を続けましょう。
抗生物質を服用している場合は、医師に相談の上指示に従ってください。
治療法
一般的に経口用の抗生物質が処方されます。
放置して悪化すると膿が溜まり、その膿を取り除くために吸引又は切開するドレナージ手術を行う可能性がありますので、放置せずに医師や助産師へ相談するようにしましょう。
![Kiki'](https://kiki25.com/wp-content/uploads/2019/07/73301f65673ff6e30d3af96de806f10a.png)
Kiki’の場合・・・
片側の乳房が少し腫れ、痛みや熱を持つことがありました。
助産師さんに相談したところ、きちんと乳管が通っていないことが原因だと思うので、なるべく頻繁に授乳をするように言われました。
授乳以外に搾乳機を使用してみたり、乳房を温めマッサージしたりしていました。1か月程で腫れや痛みがなくなりました。
乳房のしこり
授乳中の乳房にしこりができ、痛みや圧痛(しこりを押すと痛みがある)を伴うことがあります。
原因
乳管閉塞(乳腺に乳汁が溜まっている状態)が最も多い原因になります。
対処法
・授乳中に症状がある部分をマッサージし、詰まりを解消させる
・授乳前に温めたタオルやシャワーなどで乳房を温める
・しこりがある乳房を授乳し詰まりの解消を助ける
・医師や助産師に相談する
![Kiki'](https://kiki25.com/wp-content/uploads/2019/07/73301f65673ff6e30d3af96de806f10a.png)
Kiki’の場合・・・
片方の乳房にしこりができました。乳腺の詰まりが原因の場合もあるそうですが、痛みがなかったので不安になり、出産した病院の助産師さんに相談しました。助産師さんに触診してもらい、乳がんではないと思うが、卒乳してしばらくしてもしこりが消えない場合はもう一度受診してくださいと言われました。卒乳するまではずっとしこりがありましたが、しばらくしたらなくなりました。
乳頭の痛み
授乳中乳頭に傷ができ授乳に痛みが伴ったり、水疱や血豆ができることがあります。
原因
・赤ちゃんのくわえ方が浅い(痛みや傷、水疱ができることがあります)
・乳頭の衛生状態が良くない
・乳頭の乾燥
対処法
・助産師などに赤ちゃんのくわえ方をチェックしてもらう
・授乳後は脱脂綿などで拭き、母乳パットを着用するなどして衛生状態を保つ
・授乳後乳頭専用の保護クリームを塗る
・乳頭保護器を使用する
・搾乳機を使用し、哺乳瓶で母乳を与える
・医師や助産師に相談する
母乳が出ない
母乳はプロラクチンというホルモンで母乳を作り、オキシトシンというホルモンによって母乳が出されます。
原因
・ホルモンの調節が上手く機能していない
・正しい授乳姿勢と吸着で授乳ができず、母乳が適切に排出されていない
・出産時の過度な出血や貧血
・胎盤の一部が子宮内に残っていることによる乳汁来潮の遅れ
・乳腺の発育不全
・糖尿病や甲状腺などのホルモン障害
対処法
・繰り返し吸われることで分泌が促されるので、出なくても赤ちゃんに頻繁に吸ってもらう
・温めたタオルやシャワーなどで乳房をあたためる
・乳房をマッサージする
・正しい授乳姿勢と吸着を試みる
・母乳の分泌を抑制させないように、授乳時間が空いてしまった時や、授乳後に搾乳する
・母乳専門の施設を受診する
・医師や助産師に相談する
![Kiki'](https://kiki25.com/wp-content/uploads/2019/07/73301f65673ff6e30d3af96de806f10a.png)
Kiki’の場合・・・
母乳の出が悪く、母乳専門施設(桶谷式マッサージ)で母乳マッサージをしてもらったり、搾乳器で搾乳したり、出来ることはいろいろと試しましたが、それでもうまく母乳がでなかったので、母乳は諦めました。
母も姉も母乳の出が悪く粉ミルクを使用していたので、遺伝もあるのかなと思っています。
正直、母乳で育てたいという気持ちがありましたが、母乳が出ないことがストレスになっていては本末転倒なので、すっぱり諦めたことで気持ちが楽になりました。粉ミルクで育ったからといって母乳に劣るということはないんだなとKiki’は実感しています。
現に、子どもたちは幼稚園に行くまで病気をすることなく、すくすく順調に育っています。
母乳が出すぎる
赤ちゃんの飲む量より多くの母乳が分泌することを母乳分泌過多症(母乳過多)といいます。
症状
常に乳房が張る
母乳が漏れる
原因
一般的にはホルモンの調節が上手く機能していないのが原因とされています。
通常乳房は赤ちゃんが飲む量に合わせて母乳を作りますが、ホルモンの調節が上手くいかず必要以上の母乳を作ってしまいます。
授乳方法や搾乳を多くすることも要因の一つになります。
対処法
・赤ちゃんに母乳を与える前に少し搾乳をする
・母乳パットを着用する
・医師や助産師に相談する
乳房にトラブルが起きたら
自己判断はせず、医師や助産師に相談しましょう。
産後母乳が出が悪く、乳房に痛みや腫れ、しこりなどの乳房トラブルがあった場合に受診するのが母乳外来になります。
また、断乳や卒乳などについての相談や飲ませ方の指導や母乳マッサージなどもしてくれます。