発達障害って何?自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(学習症)、チック症、吃音の特徴と治療について

子育て

自分の子が他の子とちょっと違うなと感じたことってありませんか?
他の子と比べて落ち着きがなかったり、言葉を上手に話せていなかったり、コミュニケーションが取れていなかったり、子ども一人一人成長のスピードが違うのは当たり前だと分かっていても、様々な違いを感じて心配になったり悩んでしまうこともありますよね。
ここでは子どもの発達障害についてご紹介していきます。

発達障害

発達障害は生まれつきの特性で、脳の働き方の違いにより行動や情緒に特徴が現れます。

発達障害と言われているものには、自閉スペクトラム症注意欠如・多動症(ADHD)学習障害(学習症)チック症吃音などがあります。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉症スペクトラム症は、対人関係が苦手・強いこだわり・特定のことに強い関心を持つといった特性があります。

自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手で、コミュニケーションが上手くとれないといった特性や感覚が過敏な子もいます。

子どもの20~50人に1人が自閉症スペクトラム症と診断されており、女性の約2~4倍ほど男性が多いと言われています。

特徴

視線が合わない
表情が乏しい
名前を呼んでも振り向かない
人見知りしない
親の後追いをしない
言葉の遅れがある
独り言が多い
言ったことをオウム返しする
抱っこや触れられるのを嫌がる
一人遊びが多く、集団での活動や遊びが苦手
食べものの好き嫌いが多い
言葉や身振りで伝えず、手をつかんで連れていく

などがみられます。

1つでも当てはまると心配になるかと思いますが、あくまでも目安なので正確な診断は専門医を受診してください。

治療方法

自閉症スペクトラム症は薬で治すことができません。
治療としては、一人一人の特性に合わせた教育的方法を用いた療育(治療教育)を受けることで、生活の支障を少なくすることができます。
症状によって対処療法が必要な場合は、薬が処方されることもあります。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症は、自分自身の意識や行動をコントロールすることが難しいという特性があります。

前頭葉や線条体と呼ばれる部位のドーパミンという物質の機能障害が想定され、遺伝的要因も関連していると考えられています。

同じ年齢の子に比べて特性が頻繁に強く認められ、学校や家庭で障害になっているかなどを基準に診断されます。

注意欠如・多動症・衝動性の全てが認められる場合や、どちらか一方が認められることもあります。

特徴

注意欠如

ミスや忘れ物が多い
活動に集中できない
気が散りやすい
順序だてて活動に取り組めない
注意が持続しにくい
整理整頓が苦手

などがみられます。

多動性・衝動性

落ち着きがなくじっとしていられない
静かに遊ぶことができない
待つことが苦手
他人の邪魔をしてしまう

などがみられます。

治療方法

環境と行動を整える方法薬物療法があります。

環境面

教室での机の位置や掲示物などを工夫して集中しやすい環境を作り、勉強や作業を集中できそうな最小単位の時間に区切って行うなど、暮らしやすい環境を作っていきます。

行動面

好ましい行動に報酬を与え、減らしたい行動に対しては報酬を与えないことで、好ましい行動を増やしていきます。報酬は得点化して、一定数になったら特別なご褒美を与えます。好ましい行動が増えた時も、減らしたい行動が減ったときもすぐに褒めてあげることが重要になります。

薬物療法

メチルフェニデートという中枢精神刺激薬を用いて治療していきます。
この製剤は、一定の基準を満たす登録済みの医療機関や薬局でのみ処方されます。
医師の判断で処方される場合は保険適用となります。

Kiki'
Kiki’

Kiki’の子どもの頃は、今でいう多動症の子はクラスに1人いるかいないか位で、注意欠如の子はクラスに数人はいたと思いますが、昔は今の様な対処方法も恐らくなく理解もされていなかったので、毎回先生がきつく叱っていた記憶があります。

でも今は、担任の先生の考え方や学校によって対処方法などは変わってくるとは思いますが、Kiki’の子どものクラスの多動症の子の話を聞くと、授業中教室内や廊下を歩き回ったり、お友だちにちょっかいを出しているそうですが、お友だちの邪魔をした時は軽く注意はするものの、強要することはなくその子の自由にさせている様です。

学習障害(学習症)

読む、書く、計算するなど特定の学習に困難が認められる状態をいいます。

学習障害の診断には、知的機能評価ひらがな音読検査音韻認識機能検査(しりとりや、単語の逆唱など)、視覚認知機能検査言語記銘力検査などが行われます。

特徴

文字を一つ一つ拾って読む
単語または文節の途中で区切って読む
読んでいる所を指で押さえながら確認するように読む
文字間や単語間が狭いと読み間違いが増えたり行が飛んだりする
読めない文字を飛ばして読む
文末などを適当に変えて読む
音読みまたは訓読みしかできない
「ょ」と「っ」などの特殊音節の書き間違いや抜かし
「は」と「わ」など同じ音の書き間違い
「め」と「ぬ」など似た文字の書き間違い
鏡文字になってしまう

などがみられます。

治療方法

学習障害を根本から治療する方法はありません。その為薬物療法もなく、その子自身に合った教育を行っていきます。

各自治体などで支援方法は異なりますが、保健センターや子ども支援センターなどでは、その子の発達状態や障害特性に応じて、困りごとを解決したり将来の自立と社会参加を目指し支援していく療育を行っています。

学習障害がある子どものなかには、注意欠如・多動症がみられることがあり、その場合は、薬物療法を用いて注意力や集中力を改善し、学習能力の向上を図ることがあります。

Kiki'
Kiki’

Kiki’の子どもの小学校では、学習障害がある場合、その子がついていけなくて苦しんでいる様であれば、相談窓口への相談を提案されるそうです。

療育するかしないかはご両親とお子さんの判断を尊重しているようなので、療育として他の学校へ行く子もいれば、そのまま通っている子もいます。

チック症

チック症は、不規則で突発的な体の動きや音声が本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患のことをいいます。

子どもの10~20%に何らかのチック症がみられ、特に男の子に多いと言われています。
一時的に症状が出て数か月でなくなる場合と、症状が軽くなったり重くなったりを繰り返し何年か続く場合があります。

チック症は脳内にある大脳基底核という部分が関係していると考えられていますが、環境や心の問題も症状に影響します。
一過性の症状の場合は、心因性の原因によるものが多く、自然に軽快することが多いと言われています。

チック症の検査や診断は、症状と持続時間を中心に、問診と視診などで判断します。

特徴

チック症には運動性チック音声チックがあります。

運動チック

まばたき
顔をしかめる
口をゆがめる
口をとがらせる
下を突き出す
鼻をぴくぴくさせる
首を左右に振る
肩をびくっとさせる
地団駄を踏む
飛び上がる

などがみられます。

音声チック

咳払いをする
鼻や舌を鳴らす
叫ぶ
単語を連発する

などがみられます。

治療方法

症状が軽度の場合、薬物療法は行わず身体的・心理的ストレスを減らす環境を整え、場合によって精神療法や行動療法などを行います。

重度の場合は薬物療法を行っていきます。クロナゼパムやシアゼパム、抗精神病薬など症状に合った薬を用いて治療を行っていきます。

クロナゼパムとは

ベンソジアゼピン系の抗てんかん薬で、神経を鎮める作用があります。

シアゼパムとは

ベンソジアゼピン系の精神安定剤で、不安や緊張を鎮め筋痙攣の症状を改善します。

Kiki'
Kiki’

Kiki’の中学生の頃の転入生でチック症の男の子がいました。転入時の自己紹介やクラスになじむまで人前で話す時だけ顔の一部が動いていました。

環境が変わったストレスと緊張、他にも原因はあるのかもしれませんが、環境に慣れた頃には見なくなったので、ストレスは大きな要因なのかもしれませんね。

吃音

言葉が滑らかにスラスラ話すことができない状態をいいます。

吃音には発達性吃音獲得性吃音があり、吃音の9割は発達性吃音で、2~5歳の幼児期に発症することが多いです。女の子より男の子に多く、体質的要因・発達的要因・環境要因が考えられます。獲得性吃音は、精神学的疾患や脳損傷、または心的なストレスや外傷体験で発症すると言われています。この場合の発症時期は10代後半の青年以降になります。

発達性吃音の7~8割は自然に直ると言われています。

特徴

同じ音を繰り返す
引き伸ばし
なかなか話し出せない

などがみられます。

治療方法

吃音は治療方法が現時点では確率されていません。

有効とされる療法やトレーニングがあり、それによって症状が緩和できるようになりました。

日本では耳鼻咽喉科やリハビリテーション科で医師や言語聴覚士から吃音軽減訓練を受けることができます。

Kiki'
Kiki’

吃音は幼少期が多い様ですが、Kiki’の中学生の頃突然吃音になった女の子がいました。その子の場合は、先生にあてられて発言するときや人前で発表するときに、今までスラスラ言葉が出ていたのに、ある日突然話す前に「あっ、あっ、あっ」と同じ音を繰り返してから話始めるようになりました。その頃の自分は無知で何もできませんでしたが、彼女を取り巻く環境やストレスなどが原因だったのかなと思うので、原因を取り除くことが大切なのかもしれないですね。

子どもの発達に不安や心配があるという方は・・・

お住いの自治体が設置している「発達相談窓口」「地域の発達障害支援センター」「保健センター」などでも相談を受け付けているので、一人で悩まずにまずはご相談ください。

 

Kiki'
Kiki’

Kiki’には双子の子どもがいますが、しゃべり始めるのもしゃべる単語の数ももう一人の双子に比べると少なく、話す文章もちぐはぐなことが多かったので、成長を見守る中ずっと気になっていました。

ただ、しゃべるのはスラスラ順序だてて話せなくても、読み書きは双子のもう一人より早くできるようになりましたし、絵本が大好きだったせいか幼稚園の頃から読める漢字が多かったです。

大人でも得手不得手があるので、子どもの成長のスピードも様々なんだと頭では分かっていても、やっぱり子どもの成長って気になってしまうんですよね。

Kiki’は相談窓口などで相談することはしませんでしたが、幼稚園や小学校の保護者面談などでその都度相談していました。

一人で抱え込んでしまうと辛く苦しくなってしまうので、軽い気持ちで自治体や地域の相談窓口に相談するようにしてくださいね。

 

相談機関・専門病院などについては↓↓↓をご覧ください。
子どもが発達障害と言われたら・・・(現在作成中)