多胎妊娠と診断され、いろいろと不安になることがあると思います。
ここでは多胎妊娠についてご紹介していきます。
多胎児妊娠とは
2人以上の胎児が同時に子宮内に存在する状態のことを言います。
双子の場合は双胎(そうたい)
三つ子の場合は品胎(ひんたい)
四つ子の場合は四胎(したい)
五つ子の場合は五胎(ごたい)
と呼びます。
双胎妊娠(双子)の確率
一卵性と二卵性併せて約100分の1の確率と言われています。
二卵性の場合は更に確率が下がり1000分の6~10と言われていますが、近年の生殖医療の発達により、二卵性双生児の出生確率が年々増しています。
双子の種類
双子には一卵性双生児と二卵性双生児の2つのタイプがあります。
一卵性双生児とは
一つの卵子に1つの精子が受精し、その後受精卵が2つに分裂し2人の胎児が育つことをいいます。
一卵性双生児の種類
一卵性双生児の中でも3つの種類があります。
・絨毛が2つで羊膜が2つの2絨毛膜2羊膜双胎
胎盤が二つあり部屋も2つある完全個室タイプ
・絨毛が1つで羊膜が2つの1絨毛膜2羊膜双胎
胎盤が一つ(2人で共有)で部屋は2つの個室共有タイプ
- 絨毛が1つで羊膜が1つの1絨毛膜1羊膜双胎
胎盤も部屋も一つで同室共有タイプ
2絨毛2羊膜双胎は70~75%で、1絨毛2羊膜双胎は25~30%、1絨毛1羊膜双胎は1%以下の割合となります。
双胎の種類によって妊娠のリスクや管理方法が異なります。
二卵性双生児とは
卵巣から2つ以上の卵子が排卵され、2つの卵子に2つの精子がそれぞれ受精し、育つことを言います。
Kiki’の場合・・・
Kiki’の多胎児妊娠は二卵性双生児でした。
初めて病院へ行った時の診察では一つの卵胞のみ確認でき、双子という診断はされませんでしたが、その後再度病院へ行った際に2つ卵胞が確認され双子が発覚しました。
卵胞がそれぞれ分かれた状態でしたので、2絨毛2羊膜双胎という診断を受けました。
一卵性双生児か二卵性双生児かの判断は現段階ではできないとのことでした。
妊娠後期の超音波検査で医師から恐らく男の子と女の子ということで、二卵性双生児の可能性が高くなりました。
超音波検査で女の子という診断は難しいそうです。女の子だと思ったら男の子ということもあるそうなので、生まれてみないと断定はできないということでしたが、男の子と女の子が生まれたので、二卵性双生児ということが分かりました。
二卵性双生児なので頭の形や顔のつくり、体格などに違いがあり、男の子はママ似、女の子はパパ似でした。
多胎児妊娠のリスク
多胎児妊娠には様々なリスクがありますが、特に一卵性双生児には特有のリスクがあります。
一卵性双生児のリスクとは
1絨毛膜双胎のリスク
胎盤が一つの状態での妊娠となるため、臍帯を通じての栄養供給がバランスよく配分されない場合があります。
原因は二通りあり、一つはそれぞれが占有する胎盤の面積が異なる場合、もう一つは胎盤内でお互いの血管がつながっている場合があります。胎盤内でお互いの血管がつながっている場合は双胎間輸血症候群と呼ばれ、胎児の予後が非常に悪くなります。その場合、血管をレーザーで凝固させる手術を施すなどの処置が必要となります。
1絨毛膜1羊膜双胎のリスク
胎盤が一つで胎児同士を隔てる隔膜がないため、臍帯相互巻絡が起こりやすくなり、突然死のリスクが高まります。突然死のリスクは胎児が大きくなるとともに減少するものの、30週を過ぎても数パーセント程度の頻度で発生すると言われています。
約8カ月で管理入院し、9カ月で計画的に帝王切開での分娩になります。
臍帯相互巻絡とは
胎児の体の一部、特に頸部や躯幹(胴体)に臍帯が巻き付いた状態をいいます。
多胎児妊娠で起こりやすいトラブル
多胎児妊娠は単胎妊娠に比べ以下の様な合併症が起こりやすくなります。
・悪阻(つわり)
(吐き悪阻・食べ悪阻・匂い悪阻・よだれ悪阻など妊娠に伴って起きる症状のこと)
・早産
(妊娠22週0日~36週6日に出産すること)
・妊娠高血圧症候群
(妊娠時に高血圧を発症すること)
・妊娠糖尿病
(妊娠中に初めて確認された糖代謝異常のこと)
・HELLP症候群
(溶血・肝酵素上昇・血小板減少を主徴とする症候群のこと)
・子宮内胎児発育遅延
(何らかの原因で子宮内の胎児の発育が遅延または停止する状態のこと)
・胎児形態異常
(胎児の臓器や個体が正常な状態から著しく外れて見える状態のこと)
・双胎間輸血症候群
(胎児同士の血管がつながっていることで胎児の血液がもう一人の胎児へと運ばれる状態のこと)
・胎児発育不均衡
(胎児が均等に発育しないこと)
・子宮内胎児死亡
(子宮内で胎児の生存が確認された後に生命現象が焼消失し死亡した状態のこと)
・血栓症
(血管が突然血の固まり(血栓)で閉塞する病気のこと)
早産は胎児の予後に悪影響が出る可能性がある合併症ですが、近年では新生児医療の発達により大きく改善され、28週以降の出生であれば胎児の予後は比較的良好となっています。
Kiki’の場合・・・
妊娠糖尿病と胎児発育不均衡が当てはまるのかなと思います。
胎児発育不均衡は男の子と女の子ということでもしかしたら体格差があるのかもしれませんが、出産時は500gほど女の子が小さく生まれ、GCU(回復治療室)にて管理されることになりました。
双胎妊娠の管理方法
早産の場合
妊娠20週前後、28週前後に経腟超音波で子宮頸管長を測定し、切迫早産を早期診断できるようにする。
子宮頸管長が短縮していて早産のリスクがある場合、安静にすることと共に子宮収縮抑制剤の点滴を投与する。
状況によっては管理入院することもあります。
双胎間輸血症候群・胎児発育遅延の場合
早期発見・早期対応するために、超音波検査の頻度を上げ経過を観察する。
通常2週間おきに超音波検査をしますが、リスクが高いと判断された場合は毎週行います。
超音波検査では胎児の発育状況・羊水量・血流などを診ます
胎児形態異常の場合
早期発見のため20週前後と30週前後にスクリーニング検査をします。
より時間をかけて精密に胎児を超音波で検査します。
多胎児妊娠の出産
基本的には計画出産で帝王切開術になります。
経腟分娩可能条件
・双胎ともに頭位であること
・妊娠32週以降であること
・双胎ともに推定体重が1,500g以上であること
Kiki’の場合・・・
NICU(新生児集中治療室)とGCU(回復治療室)のある総合病院での出産で、帝王切開と経腟分娩どちらも可能という医師の判断で、経腟分娩を試みました。
双胎妊娠のため37週での計画出産となりました。
37週以降で出産日を自分で決めて前日から入院という流れでした。
双胎妊娠で経腟分娩を選びましたが、安全の為帝王切開の準備も同時に行うことになりました。
出産日前日には子宮口を広げる処置をし、当日は陣痛促進剤を投与し5分間隔まで来たところで破水し、細菌感染チェックをしギリギリまで経腟分娩を試みましたが、時間がたつにつれ細菌数が増え胎児に感染の恐れが出てきたため、途中から緊急帝王切開に切り替えることになりました。
多胎児妊娠の病院選び
単胎妊娠に比べ体の負担が大きく、出産までの間に様々なリスクが発生しやすくなるため、対応可能な病院を選ぶことが大切になってきます。
多胎妊娠の場合、胎児の体重も少なくなることが多い為(低出生体重児)、産後乳児ケアができるNICU(新生児集中治療室)やGCU(回復治療室)がある施設を選ぶと安心です。
Kiki’の場合・・・
Kiki’は元々高齢妊娠でしたので出産施設のないクリニックに通い出産はNICUのある総合病院と考えていました。なのでまずは近くの産婦人科クリニックに行きました。
双胎妊娠で高齢妊娠のハイリスク出産である為、Kiki’が希望することなく必然的にNICUのある総合病院を医師からいくつか紹介され、その中に検討していた病院が含まれていたので、希望の病院を紹介していただきました。
単胎妊娠に比べ多胎妊娠にはリスクやトラブルが増えますが、定期的にきちんと妊婦健康診査を受け、医師の指導のもと過ごしていくことで、不安は減少すると思います。
大変なこと心配なことなど倍になりますが、嬉しいこと楽しいこと喜びや感動などは何倍にもなります。
経験したくても誰もが経験できることではないですし、とてもいい経験になるとKiki’は思います。
貴重なマタニティーライフをなるべくリラックスしてをお過ごしいただけたらと思います。